「- virgin aircraft / alma on the snow -」 セルフライナーノーツ

ばーじんえあくらふと・あるまおんざすのうというアルバムに関するページです

ここには有っても無くても良い情報しか載っておりません。
音楽を語るという行為は昔より不得手でございまして、あんまりその辺に触れる事は無いでしょう。
書いてる時に何を思っていたのか、書くきっかけはなんだったのか、そんな思い出話に終始しておりますので、あまり実りはありません。
どうかご容赦頂けます様、宜しくお願い申し上げます。

 Tr.1 monodrama

music: titan

monodramaとは一人芝居という意味であります。
この小品は、誰もいない街の中をたった一人で、「何故自分は一人なのか」という理由を探る女の子の曲であります。

"virgin aircraft / alma on the snow"は、どっかで言及したかもしれませんが、仮想ゲームのサウンドトラック風アルバムとなります。当然、骨組みになるストーリーもあって、今回のCDを作るにあたってジャケットのイメージの助けになればと、下地になるストーリーや設定なんぞを文章に書き起こして、ジャケット担当の鈴原 葵さん(以下グー)にお渡ししました。

そのなかにしれっと紛れ込ませたりんご売りというフレーズをグーが掬い上げてくれて、かわいいりんご売りさんをさりげなーくジャケットに描いてくれちゃったので、見た瞬間声にだしてうへへって言っちゃったのを覚えています。

うへへ。

  蛇足

この曲は"alma on thw snow"の全ての原点です。
このCDを集大成とするには必要不可欠であり、この曲をTr.1から動かすことはどうしてもできませんでした。

元々は、自分の為に書いたものではなく、高校の時代に(音響として)参加した「りんごをめぐる冒険」という演劇の台本を読み返しながら、ピンときてノリと勢いで書いた曲です。
「りんごをめぐる冒険」は、古いシェルターに閉じ込められた男の子と女の子が、なんとか脱出しようと色々やるお話です。
シェルターの外には死の世界が広がっていることを終始仄めかされ、結局最後までわからないまま終劇を迎えます。
外の世界への薄ら寒さを匂わせながらも、劇そのものの雰囲気自体はとてもコミカル。
明るい雰囲気のままでどうやったら薄ら寒い何かを醸し出す事ができるのか、自分にも出来るのか、そのあたりが今回のCDにおいて、ある意味では挑戦にもなっているのかも知れません。いやすんません適当言ってます。

元曲の原題は「あれはりんごを売る声」といいます。
台本のなかでも特に印象的なフレーズでした。

 Tr.2 alma upon a star

music: titan / lyric: mayuri kiritani, nari amatoya / song: nari amatoya /
chorus: osananajimiY, serebuT, pinky / mix: tomoe mizuki

物語の始まりを意識した曲であります。
オケは原盤"alma on the snow"とほぼ同じです。

先に"alma on the snow"のほうが出来てしまったので、そっちを元にオープニング用の小品を作っちゃおう、と思ったのがきっかけで生まれた曲です。
結構思ったとおりにコンパクトに仕上がって満足していたのですが、まさかこの曲に対し「歌いたい」という申し出がくるとは全く予測しておりませんでした。

作詞は原案が桐谷 マユリさん(以下キャサリン)で、それを元に天戸屋 成さん(以下あまとやさん)があれやこれややった感じです。
歌詞は"alma on the snow"の為に書いて頂いていたものを元に、1番にあたる部分をリピートさせることになり、思ったより結構良い感じに伏線が引けたような気がしました。

絞りカスで出来上がったようなものなのですが、あまとやさんとゆかいな仲間たち(予想)と、みずきともえさんのお力でなかなかにパワフルな小品に仕上がっちゃったと思います。正直ここまでなるとは思わなかった。

 Tr.3 planet lore

music: titan / lyric: nari amatoya / song: nari amatoya / mix: tomoe mizuki

遥か未来、既に滅びた太陽系を想う曲。

美しい星があったらしい、荒々しい星があったらしい、孤独な星があったらしい。
そんな感じの、夢とか憧れとかそんなのが曲にこめられています。多分ね。

大分かわいらしく歌詞をまとめて頂きました。ありがとうございます。
寝る前にちょっとしたお話を、みたいなノリで。

 Tr.4 edward's diary

music: titan

本作品の主役であるところのアルマさんの旅路を、影に日向にサポートするお兄さん的なキャラクタ・エドワード氏のテーマ曲になります。語り部的な存在。

原盤からの再録になります。
何故かメルヘンなアレとかコレとかを差し置いて、結構お気に入り報告を耳にする不思議な曲です。

僕の中にある物語(今回のalma on the snowも含む)はある意味この人が軸になっているので、他の作品を渡り歩いてみると意外にエドワードダイアリーチックな何がしかを発見することがあるかもしれませんね。

ちなみにエドワードさんもしっかりジャケットに載せて頂けました。おすまし顔がステキでございます。

モノトーンだと遺影っぽいね。

 Tr.5 village color drops

music: titan

この曲は、「何故自分は一人なのか」という理由を探る女の子が住んでいた、誰も居ない街のテーマであります。

新譜用に新しく書いた曲のひとつですが、曲を書いていくにあたって、グーの妹氏であるところのkateさんが描いてくださった街並みの絵が、すごく助けになりました。
これは前回作品"alma on the snow"のジャケットの為に描かれた絵なのですが、当時グーと「やべえのきた」「これはマジでやべえな」みたいな感じの会話してた覚えがあります。

この絵もまた、無くてはアルバムとして完成し得なかった重要なものの一つでございます。
あの姉妹ヤバイ。

 Tr.6 outside of my mind

music: titan

月明かりの下で元気に雪原を走りまわる女の子のテーマ。

コンセプトの都合上、最後まで太陽を出してはいけないという縛りを己に課しており、でもさわやかなフィールドBGM書きたいんよ、という願望と相談しました結果、明るいのは月明かりのおかげなのだということで妥協しまして、結局好き勝手に書いた結果できあがった曲です。

シンプルに2周。ループでつなげるかどうかはちょっと悩みましたが、やめました。
これくらいシンプルなのが個人的には好きです。

 Tr.7 planet linkage

music: titan

仮想ゲームサントラのための戦闘BGMというなんだかよくわからないものです。

戦闘BGMというのは結構昔から挑戦しては挫折しているものの一つです。
「これぞ戦闘BGMだ」というものが自分の中で明確な定義が無く、幾度と無く膝をつき、どうしたものやらと途方に暮れておりましたが、しかしそんな時颯爽と現れたのがエドワード氏でありました。
「僕の顔をお食べよ」ならぬ「僕のフレーズで曲を書きなよ」みたいなことを言われ(た気がし)てフラフラとデスクに座り、ポチポチと打ち込んで出来上がったのがこの曲になります。

個人的には結構戦闘っぽくなってると思います。あまり激しくなりすぎないようにしつつ、疾走感もある程度は持たせることが出来たので、個人的には結構気に入っています。

 Tr.8 interlude

music: titan

何気に結構今回のアルバムで上位に食い込むくらい気に入っている小品です。

"planet lore"を元に今一度メルヘンに立ち返ってみようと思いこしらえたものになります。
実はこれくらいの短いのを息抜きに書くのが好きで、割とこういった小品がHDDの片隅にはゴロゴロしております。

前半戦終了。あとは終盤に向かってまっしぐら。

 Tr.9 insidius journey

music: titan

欺瞞に満ちた旅路。
後半にさしかかって徐々に雲行きが怪しくなってきた風なフィールドBGMであります。

この"alma on the snow"を内包する一大叙事詩(というわけでもないけれど)のメインテーマ、"僕たちは待たない"という曲のアレンジになります。
原曲はいつかは世に出してあげたいと思っていますがなかなかタイミングが。

この曲と、このあとのTr.11だけは、なぜか最初からループBGMモノとして作ろうという意識がありました。
仮想サントラと銘打っておきながら、実はあまりループする音楽は書くことはないですが、たまにはええやろ、みたいなノリです。
本当はやるとしても、世界樹の迷宮のように、起承転結のあるループBGMみたいなのがやりたいなあと思ってます。残念ながらこの曲にはあまり起伏はありませんが。

 Tr.10 scorpius

music: titan

"planet linkage"がボス戦、"scorpius"が通常戦、をイメージした曲となります。
順番は前後するものの、ようやく通常戦闘BGMが出せました。

原盤の"monolith strike"のアレンジで、キラキラっぽさはそこそこ残しつつ、曲全体がなんとなく「もやーん」としていたところをかっちり締めた感じに仕上げています。

実は今回のCDで一番個人的に気に入っている曲です。書いてる間もとっても楽しかったです。やっぱり僕はこういう曲が好きなんだなあ。
かわいいだけじゃなくって、もっとはっちゃけた側面も。

  蛇足

アルマさんの武器は何にしようか、という話をグーとしたことがありますが、然程悩まずに「弓」という結果に落ち着きました。

弓を持ったアルマさんはアルバムを作る間カフェ桐谷を彩り、僕のモチベーション維持に一役買ったとかなんとか。

 Tr.11 moonlightless

music: titan

「も、も…盛り上げ…ません!」みたいなじれったさのある若干じめっとした曲ですね。
最後の盛り上がりは次の表題曲に任せるとして、起承転結の転の部分を終わらせる役割を持たせようと考えて書きました。
月の光さえ届かない枯れ木の森を、雪を踏みしめながら一歩一歩進んでいく様をイメージしています。

 Tr.12 virgin aircraft

music: titan

表題曲その1。空へ大きく羽ばたく女の子のテーマ。
世界を夜で覆っていた大きな大きな障壁を、文字通り飛び越えて、ようやく彼女は朝日をその目に焼き付けることが出来たのです。

最初は不慣れに、やがてちょっとずつ慣れてきて、でも思ったよりうまくいかなくて、諦めないで、そして最後に報われる。そんな曲です。
原盤では"monolith strike"がこの役目を担っていたのですが、どうにもしっくりこなかったので没。僕のやりたかった「終盤の盛り上がり」とは結局なんなのだろうか、としばらく鏡の向こうにいるクソ不細工とにらめっこしながら考えた結果、「やはり三拍子だ」「リズムはタンタカタンタカさせよう」「あとやっぱりキラキラさせよう」というよくわからない結論に至りました。
(monolith strike? …ああ、あいつならお星様になったよ。星っていうか星座に)

「一人芝居」と「星のお話」を仄かに盛り込みつつ(思ったより目立っちゃったけど)、ようやく「alma on the snow」のお話も一区切りつけるかな! と思えるくらいには満足している作品になっております。

 Tr.13 alma on the snow

music: titan / lyric: mayuri kiritani, nari amatoya / song: nari amatoya /
mix: tomoe mizuki

表題曲その2。滅び行く母星への、追悼の歌。
大まかなあらすじ自体は、あまとやさんがツイッターで晒しておりましたが、"alma on the snow"は故郷にさよならを告げるための歌です。
いかにキラキラさせながら、あまり明るくなりすぎないように、でも優しい感じにできるか、このあたりは理論立てて曲を書いていない身としてはまさに暗中模索。結局原盤からはほぼ楽器総入れ替えなんかしちゃってたりで、そこそこ難産で付き合いの長い曲になります。

最初は、キャサリンに詞を書いてもらって、(部屋の片隅に積まれていた)VOCALOIDに歌わせてみようと考えておりました。
しかしなんかやっぱりしっくりこない。そもそも歌詞が英語であり、初めてトライするには敷居が高すぎた。1番だけ歌わせて結局お蔵入り。

そんなタイミングで名乗り出てくれたのが、あまとやさんでした。
そこから大体2年くらい大切に温め続けて来て、ようやく出来上がって、長年の夢も叶って、いろんな意味で大団円です。本当にありがとうございました。
諸々ありすぎたのでそのへんのエピソードはカットしますが、色々勉強にもなりました。

ただ今回のアルバム製作を通じて思ったことですが、自分が何の為にDTMを始めたのか、という原点に立ち返ってみて疑問視せざるを得ない点もちょこっとあったりして、色々考えさせられたところもあります。
その辺は次回以降、余裕がある時にでも見つめなおしてみることにします。とりあえず今は大団円を喜ぶことに専念しようと思います。

【あまとやさんによるvirgin aircraft解説(まとめ読み/twilog)】
http://twilog.org/ama_toyao/search?word=virgin+aircraft%E3%82%92%E8%A7%A3%E8%AA%AC&ao=a&order=allasc
【あまとやさんによるvirgin aircraft解説】
https://twitter.com/ama_toyao/status/456715671749935105
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https://twitter.com/ama_toyao/status/456716029423407105

 Tr.14 curtain call

music: titan

終劇。
またこの題材を扱う可能性は限りなく低いですがゼロではありませんので、その時は宜しくお願いいたします。